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zoom RSS 会計検査院による山本事務所へのレクチャーに向けて    2015年10月25日(日)

<<   作成日時 : 2015/11/09 13:09   >>

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会計検査院による山本事務所へのレクチャーに向けて
   2015年10月25日(日) 326政府交渉ネット 青木泰
はじめに
東日本大災害によって、壊滅的な打撃を受けた被災3県。この復興を掲げて25兆円の復興資金が計画され、現在まで22兆円が予算立てされた。
この予算は、被災地の復興や避難者への支援を願い、国民が期待していた育児手当や高速道路の無料化を棚上げし、かつ所得税を25年間にわたって、2.1%増税し、住民税を10年間にわたって、1000円増税することに協力するなどをして、捻出した予算である。
それがゆめゆめ、他目的に流用され使われることはあってはならない。
その点でいくつかの疑義を会計検査院にお伝えししてきたが、改めて適切な対処をお願いする。

1. 復興資金が被災地でない市町村のごみ焼却場の建設費に!?
(1)がれきの処理費(復興資金)がなぜ清掃工場等の建設補助金に?
復興資金の内、がれきの処理のための震災廃棄物処理費が、1兆700億円予算化されていた。この時点で、処理するがれきの推計量は、約2400万トンと推計されていた。従来の震災廃棄物の処理コスト(1トン当たり2.2万円)からいうと約2倍高く見積もられた金額である。
またその過大なった要因としては、がれきの広域化処理に、当初の予測がれき量の2割に当たる400万トンを計画したことも影響していた。
しかしがれきの広域化は、全体で18万トン、計画の数%で終了した。(環境省の言う県外処理でも60万トンでしかなく、85%が未執行で終了している。)
その結果、
@ 当初のがれきの推計量が約2400万トンから約1700万トンに減ったこと考えると、従来のコストの約3倍の過大な予算化が行われていた。
A それに加え、がれきの広域化処理量が、破たんし大半が、行われなかったこと
以上によって、巨額の余剰分ができた。本来からいえば、それは使われなかった予算として、返還し、改めて被災地の復興や避難者への支援策に振り向けることを可能にすべきだった。ところが環境省は、それを全国の市町村の清掃工場の補助金に流用していたことが分かった。これは復興基本法に違反した流用と言える。

がれき推計量 (万トン)と広域化量   
  当初   広域化予定量  最終(2014年2月末)広域化量
福島   288    −      173        −
岩手   499    57     414      11.6
宮城  1595   344    1114       6.5
合計  2382   401    1701      18。1


(2)がれきの広域化で、被災地でない清掃工場に補助金をつぎ込む理由!?
環境省は、復興資金から全国の市町村のごみ清掃工場などの一般廃棄物処理施設の整備費に支出するにあたって、がれきの広域化処理を進めるためとその理由に挙げていた。(環廃対発第120315001号)
しかしながら、がれきの広域化処理は、もともと全国の市町村の焼却施設等の余剰施設を利用し、被災地に仮設焼却炉などを建設する費用を使わないでがれきを処理するとして当時の松本龍環境大臣のもとにはじめられた。
 被災地以外でがれきの処理のために設備投資等に復興資金を投与するのなら被災地で行えば、新たな雇用を生み出すことにもなった。したがってこれらはどこから見ても、復興資金を全国の自治体の焼却炉の建設費に流用する理由たり得なかった。したがって環境省によるこの交付方針を示した環廃対発第120315001号自体が違法の疑いがある。
この環境省の環廃対発第120315001号の交付方針では、市町村の廃棄物処理施設の建設・整備費への交付金(=補助金)にこれまで一般会計から支給する「通常枠」とは別に、「復旧・復興枠」を作り、その分は、復興資金から交付することになっている。
もちろんこの「復旧・復興枠」による交付金の支給は、広域処理によるがれきの受け入れが条件になっていたが、実態は、復興資金からの補助金(循環型社会形成推進交付金)を受けた市町村で、がれきを受け入れたところは、約1割にも満たなかった。(東京新聞報道2013年3月)
 したがってこの違法の疑いのある環廃対発第120315001号の交付方針を通知したという点で、環境省は組織的に復興資金の流用問題にかかわり、その上で、がれきを1トンすら受け入れていない自治体に交付金(補助金)を支給したという点で、2重の意味で復興基本法や補助金等の適正化法に違反していると言える。
 2.全国の市町村の廃棄物処理施設建設費用への流用の3パターン
 資金流用に3つのパターンがある。
(1) がれきの受け入れを決めていないのに、復興資金からの補助金を貰っていた事例:堺市の事例。
事実経過としても、堺市の環境部の担当者は、2012年1月から2月にかけて、環境省から復旧・復興枠での補助金86億円の受け入れを奨められているが、がれきを1トンも受け入れていないことから、通常の一般会計から支出される「通常枠」での受け入れを回答していた。
そして環境省は、堺市からの「復旧・復興枠」での申請がないまま、「復旧・復興枠」での補助金の内示を決めてしまうのである。市町村からの補助金申請は、「通常枠」行われているのも関わらず、環境省が勝手に「復旧・復興枠」で内示を決定したこと自体、行政の手続きとして違反しているが、環境省は強引に堺市に「復旧・復興枠」での支給を認めさせている。
そのためこの内示決定の瑕疵を繕うために、内示決定後の改めて堺市から申請を提出させている。
ここには、がれきの受け入れを名目に、「復旧・復興枠」にしながらがれきの受け入れなど歯牙にもかけず、復興資金を流用すること自体を目的とした対応が見られる。
これは復興資金からの流用化であるとともに、補助金の適正化に係わる 法律の違反でもある。(注釈1)

(2) がれきの受け入れは、関連する別自治体(高岡市)が受け入れただけであり、当該自治体(清掃一部事務組合)は受け入れていない。
富山県高岡地区広域事務組合―構成自治体(高岡市、小矢部市、氷見市)の焼却炉建設に、補助金が「復旧・復興枠」で支給され、構成自治体の復興交付税にも復興交付金が支給されていた。
 そもそも、一部事務組合が建設した焼却炉が稼働したのは、2014年9月であり、がれきの処理は、全国的に2014年3月31日で終わっており、その時点では、計画上も当該焼却施設でのがれきの受け入れは不可能であった。
 高岡市は、確かに2013年5月からがれきの受け入れを開始しているが、高岡市と高岡地区広域事務組合は、別の自治体であり、高岡地区広域事務組合は、1トンのがれきも受け入れていない。
そしてその高岡市のがれきの受け入れ自体、下記に見るようにアリバイ的な受け入れでしかなかった。
富山県のがれきの受け入れは、静岡県と同じく、岩手県山田町・大槌町から受け入れる予定のがれきであったが、静岡県は、広域化予定量が当初の7分の1になったとして2012年度(2013年3月31日)で、受け入れを終了していた。したがってそもそも高岡市自体の受け入れについても、受け入れの必要性すらなかった。
ところが高岡地区広域事務組合は、この焼却炉の建設費への交付金を復旧・復興枠で2012年度分として受け取っていた。環境省ではがれきの受け入れを行っていない自治体の焼却炉建設費への復興資金を使っての交付金支給に対し、世論の批判が高まったこともあって、環境大臣は、がれきの受け入れのない自治体への復旧・復興枠を使った交付金は支給しないと声明で発表していた。
そこでまるでアリバイ証明のように形だけの受け入れを図るために、高岡市が当初の予定の10分の1のがれきを受け入れたのが真相である。

以上の(1)【2】の堺市と高岡地区広域事務組合の事例は、1トンもがれきを受け入れていないのに交付金の支給を受けた自治体の事例である。

(3) がれきは受け入れたが、がれきの受け入れとは関係のない事業に補助金が出された。
復興資金からの補助金の対象事業は、がれきの受け入れに関係のない基盤整備事業(北九州市)やリサイクル施設(静岡市)への補助金として使われていた。
これらは本来環境省の一般会計予算から支出すべきを考えるものであった。

なお堺市に続き、高岡地区広域圏事務組合に対して、行政訴訟が提訴された。その訴訟を支援する市民団体は、「復興資金返さんまいけ・富山」という。
高岡地区広域圏事務組合は、焼却炉の建設費が総計約71億円。その内、H24年度、H25年度分は、総計約61億円で、その分については、復興資金を使う「復旧・復興枠」で支払っている。ところがH26年度分の約10億円分は、交付金を「復旧・復興枠」から「通常枠」に代え、一般会計から支払われている。
問題があったから「一般枠」に戻したのだとしたら、全返還すべきと考える。(資料1:公文書不開示決定通知書(20150520)&交付決定通知書「環政第80628号」富山知事発)

3. 震災廃棄物処理費のその他の違法流用と無駄な会計使用
1) 流用のチェックを受けた議会で、虚偽の報告。
東京都、三鷹市と調布市からなるふじみ衛生組合でも、がれきを1トンも受け入れることなく復興資金から51億円を受け取っている。その際返還を求めた三鷹市の議員に、返還すれば通常枠での補助金の受け入れができないと環境省が言っていると報告。補助金を受けなければ清掃工場の建設ができなくなると流用化を認めさせている。−堺市での対応と同じー実際は、民間団体によって、チェックを受けた神奈川県の市町村では、「復旧・復興枠」を止め、「通常枠」に戻している。「受け入れができない」は嘘。
流用化を図るために環境省の職員が、嘘まで言う対応に対して、会計検査院はチェックし、その背景にある流用化の実態を明らかにしていただきたい。

2)県内処理ですでに契約していたがれきを広域化処理に2重に架空計上
東京都や北九州市などは、宮城県の石巻ブロック(石巻市、東松島市、女川町)からがれきが運ばれてくることになっていた。
がれきの処理は、発生した市町村が処理することを原則にし、処理できない分を県(宮城県や岩手県)に事務委託し、県がそれを処理した上で、処理できない分を他の都道府県の市町村に広域化処理委託するルールで進められてきていた。
この石巻ブロックは、構成3市町(石巻市、東松島市、女川町)では、総発生量826万トンから県が事務委託を受けたのは、685万トンであったが、県はその685万トンの全量を、2011年9月には、民間業者である鹿島JVに1923億円で委託契約していた。
したがって石巻ブロックからは、広域化処理するがれきは、1トンもなかったが、環境省と宮城県は294万あると虚偽の発表を行った。巨大な架空計上による過大な予算が建てられた。
(資料2:宮城県と鹿島JVとの業務委託契約書(H23年9月6日))
(資料3:「引き裂かれた絆―がれきトリック、環境省との攻防1000日」P145図表)
 がれきの処理が進み、それへの市民団体や民間シンクタンクの監視が厳しくなり、架空計上しているがれきの矛盾が露呈した。
そのため、宮城県は、翌年の2012年9月に県内処理委託している鹿島JVとの契約変更議案を県議会に提出した。
その内容は、驚くものであり、がれきの推計量が間違っており、再測量の結果、685万トンから310万トンに、375万も減ったという報告であった。当初量から55%も削減され、45%に減ったという提案であった。(がれきの推定量は測量を専門にする事業者がかかわり、測定予測している。数%の予測誤差があったとしても、何割にも上る測定誤差は、通常は考えられない。)
その契約変更に伴い契約金額は、1923億円から1482億円に減ったが、もともと架空計上されていなければ、1000億円以下の契約だったことは間違いなく、架空計上による損失は、巨額に上った。
またその過程で有価物として計上できるチップ材の100万トンがなくなっていた。虚偽の架空計上による過大な推計量をベースとした契約によって、不必要な設備投資を行い、契約変更で過大な損失が発生した。
(資料4:契約変更提案&河北新報まとめ)

3)安い契約から高い契約に変更
環境省と宮城県は、石巻ブロックのがれきを北九州市と東京都に運ぶ予定だったが、石巻ブロックから広域化処理に回すがれきは1トンもなく、294万トンは架空計上だったため、鹿島JVとの契約変更に当たって、北九州などに運ぶ分を、契約変更の際に作り出した。
県内契約に際し、もともと685万トンに含まれていた数万トンを、この契約変更に乗じて北九州市などの広域化処理分として、別枠で確保し、新たに広域化処理する自治体との契約分にまわしたのである。
しかし鹿島JVとの契約は、がれきでいうとトン当たり2〜3万円のコストである。ところが北九州には、7〜8万円のコストになっていた。明らかに安い契約から高い契約への契約変更であり、地方自治法の違反であり、補助金等の適正化に係わる法律違反である。

4.がれきの広域化と復興資金問題、その他の問題
@  従来のがれき処理(阪神淡路・中越地震)のコストの2倍の予算。
A  がれきの総量の測定が、極めてずさん。過大な見積もり。(当初の2400万トンが、1700万トンに。約3割弱も減少)当初から正確な予測を行っていた仙台市のような事例もある。
B がれきの広域化で、予定されたのは、2県で401万トン(宮城県344万トン、岩手県57万トン)である。
その内、明らかに架空計上されていたのが宮城県発で、294万トンもあり、岩手県発も当初最終的には、大幅に減った。それらの過大な予算は、余剰化されたが、それを環境省は返還せず、今回の全国の市町村の清掃工場の建設・整備費に流用した。経過をみるとがれきの広域化は、単なる名目であり、過大な予算をつかみ、それを廃棄物処理施設の建設などの補助金に回すことが目的であったことがはっきりと浮かんできた。
今現在福島県における指定廃棄物の仮設焼却炉の建設が、各所ごとに何か所も作られ、ひどいところでは数か月で終了するという実態にある。

注釈1: 堺市のその後
(1) 堺市への復興資金からの流用問題について、堺市はがれきの受け入れ条件を検討したのではなく、受け入れの「可否」を検討していたことは、堺市も認めている。
堺市への復興資金からの支給は、環境省の「環廃対発第120315001号」に記載されている「なお、受け入れ条件の検討や被災地とのマッチングを実施したものの、結果として災害廃棄物を受け入れることができなかった場合であっても、交付金の返還が生じるものではありません」に基づいている。
ところがこの件で、吉田忠智参議院議員の質問主意書への回答で、国は、その「受け入れ条件の検討」には、「災害廃棄物の受け入れの可否」は含まれないと答えている。
(吉田智忠参議院議員による質問主意書http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/186/meisai/m186123.htm とそれへの答弁
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/186/touh/t186123.htm

つまり、質問主意書への国、内閣総理大臣の答弁では、堺市での「受け入れ可否の検討」では、この通知による「返還が生じるものではない」は適用されないことになる。したがって、会計検査院は、直ちに堺市への86億円の返還を求めるべきと考える。

注釈2:検査院への質問
検査院のとのこれまでの話(昨年)として、
@ 復興資金の流用の行方について注目している
A  提供された資料を参考に調査している。
B 11月ごろ「決算検査報告書」がでる。
C  内容によっては返還を求める。
ということだった。その報告の中で、前回指摘した堺市や高岡の事例で、返還のアクションはいつ起こすのか。

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