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zoom RSS 産廃事業者「郡山リサイクル協同組合」の実態に迫る その1 郡山市との話し合い(2014年4月25日)

<<   作成日時 : 2014/07/27 09:15   >>

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産廃事業者「郡山リサイクル協同組合」の実態に迫る その1
郡山市との話し合い(2014年4月25日)報告

        環境ジャーナリスト  青木泰

<はじめに>
郡山リサイクル協同組合と言う産廃処理事業所は、25年近く前に設立後、周辺に悪臭、煤塵などをまき散らし、これまで何度も住民から行政に対して訴えがありました。にもかかわらず、根本的な対策を放置し、小手先の改善策でやり過ごしてきました。
そうした中で、周辺住民から訴えの声が上がり、別紙(添付)のように福島連絡会から4月8日付で、要望書が出され、その返答を求めるべく、4月25日、郡山市の担当職員5人と話し合いがもたれました。
当局の参加者は、環境部廃棄物対策課の橋本幸一課長補佐、郡山市環境保全センターの大気環境係の三瓶史人係長他3名。当方は、地元で被害を訴えているSさん、Yさん、そして市内の森園、鈴木さん、福島連絡会の和田さん、深田さん、そして私の7名でした。

産業廃棄物の地方自治体の行政上の所管は、都道府県になりますが、郡山市の場合30万人以上の中核衛星都市になる(現状は30万人を切る)ため、市がその業務を担うことになっています。なおこの話し合いは、駒崎議員が準備してくださいました。

<驚く市の姿勢>
話し合いの場では、要望書への回答を期待していましたが、要望書の各項目への返答はなく、市の説明は事業者であるリサイクル協同組合の返答を待つという答えでした。では今日25日の話し合いは、何の為かと言うと周辺住民の声を聞く場として持ちたいと言うことでした。それに加え、廃棄物対策課なので放射性物質については、基本的に応えられないということでした。
要望書が出された後、リサイクル協同組合には、尋ねて行ったと言うことでしたが、そこでどのようのことが話し合われたのかは、具体的に出ませんでした。
見えてきたのは、産業廃棄物の事業所に関連する住民の苦情は、事業者が対処すればよいと言う事業者任せの姿勢でした。

<話し合いを通して、約束させる>
そばに住むUさんは、日常的にも国道4号線からの進入道路が、砂埃を巻き上げ、何十台ものトラックが行き来し、一日に何度も散水してもらっているが、それでも効果が無いことを、撮影ビデオを見せながら訴えました。また悪臭も日によっては、何度も漂ってくることを報告しました。
Sさんは、ご自宅は1km以上離れているが、悪臭はやはりひどく、本来なら環境のよいところはずが、引越しすら考えてしまう状況を訴えました。
当初、担当者と話しをしていて、産廃事業者を監視・監督する行政としての気概も意気込みも見えませんでした。中核衛星都市として、産廃処理事業所について、許認可権を持ち、他府県からの持込への認可や周辺環境への影響をチェックしなければならない役割について、全く欠落した対応を見せていました。
しかし話し合いを通して、発言内容も変わり、最後には橋本課長補佐が、「Uさん、Sさんのお話を基に、調査・現状確認し対応を考えてゆきたい」と発言し、三瓶係長は「臭いの問題については、Uさん、Sさんから具体的な記録をもらい、調査・点検してゆきたい」と言うことになりました。その結果を受け、悪臭については、日記的に日時を示しながら、どのような臭いがしたかとその時の天候状態を示した記録を取ってゆくことにしました。

<親亀こけたら子亀もこける!?>
最初の市の発言、放射性物質については、所管ではないという発言も驚く発言です。確かにこれまでは、廃棄物処理法では、第2条の廃棄物の定義の中で、「廃棄物とは、・・・放射性物質及びその汚染物は除く」となっていて、廃棄物として、放射性物質は取り扱うことは、実質禁止されていました。
従ってこれまでならば、そのような発言もあったと考えられますが、現状では、放射性物質汚染対策特別措置法によって、今回の事故によって放出された放射性物質による汚染されたものは、廃棄物処理施設で、8000Bq/kgまでは、取り扱うことになっています。
従来の原子炉等規制法による100Bq/kg以上を放射性物質として取り扱う法律も生きているため、その従来基準で言えば、8000Bq/kgと言うとてつもない放射性汚染物がこの産廃処理施設に運び込まれてきます。
郡山市の廃棄物対策課が「所管ではない」では、そこで放射性物質がどのように処理され、そこで働く労働者や人や周辺住民に対してどのような影響を与えているかについてチェックされないことになるのです。
この点を指摘し、今回の要望書のDにも、飛灰の放射線濃度が、14,000〜15,000Bq/kgだったことへの質問に答えを促したところ、市の対応は、生み出された8,000ベクレルを超えるものは、持って行く先がなく、現状でその場に保管しているという話でした。
しかし元々高濃度に放射能汚染されているものは、持ち込まない協同組合の焼却炉で、なぜそのように飛灰が発生したのかをチェックすることが、行政として求められることを改めて指摘して行きました。
がれきの広域化処理にあたって、この8000か100かという2重スタンダードの問題は、愛知県知事や関西連合での論議の中でもどのように解釈、調整するのかという質問が環境省に対して出されました。しかし環境省は、両方の法律の要点を示すにとどまり、質問に真摯に向かい合うことはしませんでした。
“文句があるならがれきは受け入れなくて良い”と言った適当な対応でした。
法令の元締めの国がこのように適当だと、市町村が締まらなくなる典型的な事例を見た思いでした。親亀こけたら子亀がこけるの典型です。

<廃棄物の飛散や悪臭に目を光らせるのは、行政の役割>
郡山市の廃棄物対策課の担当者と話をしていて、やはり一番気になったのは、住民サイドに立って、廃棄物処理法(*1)に基づき、対策、対処することが欠如している点でした。
悪臭や煤塵の発生があることが、法律上産廃処理施設の稼働そのものの是非を問うことになることが分かっていないという問題です。
例えば、廃棄物処理法上は、雑則の第16条の二に焼却禁止の条文があり、「何人も次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない」となっています。
その方法とは、3点掲げられ、
@ 廃棄物の処理基準(一般廃棄物や産業廃棄物の処理基準)に従って行う廃棄物の焼却
A 他の法令又はこれに基ずく、処分により行う廃棄物の焼却
B 公益上もしくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却等
今回の場合は、@の産業廃棄物処理施設に関連する問題ですが、その設置にあたっての許可条件には、周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査結果を添付しなければなりません。(第15条3項)その中には、「大気汚染、水質汚濁、騒音、振動、悪臭」についても記載することが必要です。(施行規則第11条の二)
また設置(第15条の二)や維持管理(第15条の二の二)にあたっては、技術上の基準にも適合する必要があり、そこでも「産業廃棄物の飛散及び、流出並びに悪臭の発散を防止する構造」が条件とされています。
これら廃棄物処理法上の法体系からすると、現状の郡山リサイクル協同組合は、全くの無法状態のまま、悪臭を漂わせ、煤塵や廃棄物の破砕粉を放出しています。産業廃棄物処理施設があれば、いろいろな面から周辺の住民の生活環境に影響を及ぼさないか、監視の目を光らせるのが、行政の役割ですが、それが果たせていないのです。
話し合いの中では、従来の事業者任せから、生活環境への影響防止という所管の行政の本来の立ち位置に定め直すことを求めて行きました。
 <郡山市が持つ違法事業所への操業停止や認可取り消し権限>
郡山市による管理・監督について話が及んだ時に、市町村の清掃工場で処理される一般廃棄物は、その町のごみが処理されるが、今回のような産廃処理施設の場合は、受け入れが広域であるため、チェックが難しいという話が市からありました。
しかし県境を越えて産廃が持ち込まれる時には、当該施設がある自治体の許可を得ることは基本であり、処分した廃棄物の処理の行方については、所管である郡山市への報告義務があるため、郡山市が事態を掴んでいないということは、ありえないことです。
この話から伺えることは、郡山市の廃棄物対策課は、法律上定められた自らの権限や役割を理解していないかそれとも、何らかの形で事業者に遠慮しているということになります。
実際産廃施設の設置の許可や、事業の変更許可、事業の停止、そして許可の取り消し、さらに維持管理における定期検査は、いずれも都道府県、今回の場合郡山市が行うことであり、そして維持管理における各種情報は、公表することが定められています。
産廃処理を巡って、処理施設や処分場の周辺住民の生活が不当に犯されることがあり、そのため、管理監督する行政にこのような強大な権限が与えられています。
 郡山市での産廃焼却事業者「郡山リサイクル協同組合」の問題は、始まったばかりですが、郡山市が産廃業者に立ち向かう姿勢を見せることが、問題解決への第1歩である
と感じました。
 そして今回の場合、放射能汚染物の処理という問題を抱え、早期に対処する必要があることが分かりました。
 * 話し合いの中では、その他郡山リサイクル協同組合のような産廃事業者が何故処理業者として認可を受けることができたのか?
 * 電離放射線障害防止規則から言えば、12,000ベクレル以上を取り扱っている時には、同規則の適用施設にならないのか?そこで働く労働者の安全性は?
等についても話が出され、今後の課題に持ち越しました。

 今回地元のSさん、Yさんが声を上げ、和田さんや深田さんなど福島連絡会が要望書を出し、市議会議員が動いてくれて実現しました。お世話様でした。
日本の環境問題は、環境影響から国民を守る環境省が役割を果たしていません。環境省は、廃棄物の焼却炉の建設補助や今回の震災廃棄物処理や除染処理などの事業を推進する事業省としての役割がいつも前面に出て、規制省としては、開店休業状態です。その結果実態は環境汚染省となっています。
しかし法制度的には、私たちが使うことのできる法律がたくさんあります。自治体行政と結び、この法律を活用してゆくことが大事だと、今回改めて感じました。
しかし環境問題は、地元の人が声を上げることが、第1です。それには今回のようにほこりがひどい、悪臭がひどいということだけで、十分です。そして行政とのやり取りの中で、住民側に活用できる法令やこれまでの戦いの事例を参考にしながら、問題にあたってゆきましょう。

<注釈>
*1:廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)第1条:目的「この法律は、廃棄物の排出を抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全、及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする」

*2:廃棄物処理法―第五節 産業廃棄物処理施設
(産業廃棄物処理施設)
第十五条  産業廃棄物処理施設(廃プラスチック類処理施設、産業廃棄物の最終処分場その他の産業廃棄物の処理施設で政令で定めるものをいう。以下同じ。)を設置しようとする者は、当該産業廃棄物処理施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
2  前項の許可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を提出しなければならない。
一  氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二  産業廃棄物処理施設の設置の場所
三  産業廃棄物処理施設の種類
四  産業廃棄物処理施設において処理する産業廃棄物の種類
五  産業廃棄物処理施設の処理能力(産業廃棄物の最終処分場である場合にあつては、産業廃棄物の埋立処分の用に供される場所の面積及び埋立容量)
六  産業廃棄物処理施設の位置、構造等の設置に関する計画
七  産業廃棄物処理施設の維持管理に関する計画
八  産業廃棄物の最終処分場である場合にあつては、災害防止のための計画
九  その他環境省令で定める事項
3  前項の申請書には、環境省令で定めるところにより、当該産業廃棄物処理施設を設置することが周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査の結果を記載した書類を添付しなければならない。ただし、当該申請書に記載した同項第二号から第七号までに掲げる事項が、過去になされた第一項の許可に係る当該事項と同一である場合その他の環境省令で定める場合は、この限りでない。
4  都道府県知事は、産業廃棄物処理施設(政令で定めるものに限る。)について第一項の許可の申請があつた場合には、遅滞なく、第二項第一号から第四号までに掲げる事項、申請年月日及び縦覧場所を告示するとともに、同項の申請書及び前項の書類(同項ただし書に規定する場合にあつては、第二項の申請書)を当該告示の日から一月間公衆の縦覧に供しなければならない。
5  都道府県知事は、前項の規定による告示をしたときは、遅滞なく、その旨を当該産業廃棄物処理施設の設置に関し生活環境の保全上関係がある市町村の長に通知し、期間を指定して当該市町村長の生活環境の保全上の見地からの意見を聴かなければならない。
6  第四項の規定による告示があつたときは、当該産業廃棄物処理施設の設置に関し利害関係を有する者は、同項の縦覧期間満了の日の翌日から起算して二週間を経過する日までに、当該都道府県知事に生活環境の保全上の見地からの意見書を提出することができる。
(許可の基準等)
第十五条の二  都道府県知事は、前条第一項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
一  その産業廃棄物処理施設の設置に関する計画が環境省令で定める技術上の基準に適合していること。
二  その産業廃棄物処理施設の設置に関する計画及び維持管理に関する計画が当該産業廃棄物処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全及び環境省令で定める周辺の施設について適正な配慮がなされたものであること。
三  申請者の能力がその産業廃棄物処理施設の設置に関する計画及び維持管理に関する計画に従つて当該産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること。
四  申請者が第十四条第五項第二号イからヘまでのいずれにも該当しないこと。
2  都道府県知事は、前条第一項の許可の申請に係る産業廃棄物処理施設の設置によつて、ごみ処理施設又は産業廃棄物処理施設の過度の集中により大気環境基準の確保が困難となると認めるときは、同項の許可をしないことができる。
3  都道府県知事は、前条第一項の許可(同条第四項に規定する産業廃棄物処理施設に係るものに限る。)をする場合においては、あらかじめ、第一項第二号に掲げる事項について、生活環境の保全に関し環境省令で定める事項について専門的知識を有する者の意見を聴かなければならない。
4  前条第一項の許可には、生活環境の保全上必要な条件を付することができる。
5  前条第一項の許可を受けた者(以下「産業廃棄物処理施設の設置者」という。)は、当該許可に係る産業廃棄物処理施設について、都道府県知事の検査を受け、当該産業廃棄物処理施設が当該許可に係る前条第二項の申請書に記載した設置に関する計画に適合していると認められた後でなければ、これを使用してはならない。
(定期検査)
第十五条の二の二  産業廃棄物処理施設の設置者(第十五条第四項に規定する産業廃棄物処理施設について同条第一項の許可を受けた者に限る。)は、当該産業廃棄物処理施設について、環境省令で定めるところにより、環境省令で定める期間ごとに、都道府県知事の検査を受けなければならない。
2  前項の検査は、当該産業廃棄物処理施設が前条第一項第一号に規定する技術上の基準に適合しているかどうかについて行う。
(産業廃棄物処理施設の維持管理等)
第十五条の二の三  産業廃棄物処理施設の設置者は、環境省令で定める技術上の基準及び当該産業廃棄物処理施設の許可に係る第十五条第二項の申請書に記載した維持管理に関する計画(当該計画について第十五条の二の六第一項の許可を受けたときは、変更後のもの。次項において同じ。)に従い、当該産業廃棄物処理施設の維持管理をしなければならない。
2  産業廃棄物処理施設の設置者(第十五条第四項に規定する産業廃棄物処理施設について同条第一項の許可を受けた者に限る。)は、当該産業廃棄物処理施設の維持管理に関する計画及び当該産業廃棄物処理施設の維持管理の状況に関する情報であつて環境省令で定める事項について、環境省令で定めるところにより、インターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならない。

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