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zoom RSS 緑の情報特版 NO4   ―環境省の「工程表」(8月7日)を読み解くー

<<   作成日時 : 2012/09/18 12:23   >>

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緑の情報特版 NO4(20120818)
―環境省の「工程表」(8月7日)を読み解くー
宮城県の2重契約(犯罪行為)に逃げ出す受け入れ自治体
            市民検討委員会 調査チーム 青木泰
 
1. 残るは、北九州市と東京都
 宮城県が被災市町村から受託していたがれきの6〜7割を占めるのが石巻ブロック(石巻市、女川町、東松島市)のがれきである。北九州市に持ってくる石巻市のがれきも、東京都に持ってくる女川町のがれきも、宮城県内では、この石巻ブロックのがれきとして取り扱われている。
その石巻ブロックのがれきが、宮城県によって全量鹿島JVに昨年9月に処理委託されていた。当市民検討委員会調査チームによってその事実が今年6月に分かった。石巻市のがれきも、女川町のがれきも鹿島JVに業務委託契約された段階で、鹿島JVに「処理権限と義務」が移る。したがって宮城県が広域化処理してもらいたいと全国に訴えた石巻市や女川町のがれきは、宮城県にはなく、広域処理の必要性はなくなっていた。実業や経営に係わったことのある人は、宮城県のこの行為を「犯罪行為」と即座に断言し、ひどさにあきれる。
宮城県が業務委託していた事実を隠し、がれきの広域化を図った狙いがどこにあったのかは、司直の捜査を待つ必要があるが、一度契約したがれきを2重にカウントし、国の交付金を2重に詐取するのは、明らかに犯罪行為当たる。
こうした事実を私たちの調査チームは、北九州市だけでなく、場所を移して宮城県、そして環境省に通告し、そのたびに記者会見を通してメディアに伝えてきた。各所でのインターネットメディアの実況や録画を見て一番驚いたのは、受け入れの検討表明していた自治体ではないかとかんがえる。宮城県では既に鹿島JV他の建設ゼネコンやJVに業務委託を完了しているのに、その事実を覆い隠し、広域化することは、業務委託契約を勝手に廃棄することになり、明らかな違法行為であり、社会的にも許されない。
また全国の自治体の焼却施設などを使う広域化は、運送費が余分にかかることになり、契約変更は理由が成り立たないからである。
5月の環境省の報告では、受け入れ自治体として名前が挙がっていた16の都道府県は、今回の「工程表」では、殆ど名前がかき消され、茨城県、山形県、栃木県と名前が残っているところも「調整中」と後退した。具体的な数量が書かれているのは、東京都と北九州市だけとなっている。宮城県から運ばれるがれきの広域化処理は、いよいよ東京都、北九州を残すのみとなってきた。
 
2.環境省2か月余で方針変更―広域化の破たんを示す「工程表」
(1)受け入れ府県が16県から実質2県に。
環境省が8月7日に 震災廃棄物(がれき)についての今後の処理の工程表(「東日本大震災に係わる災害廃棄物の処理工程表」)を発表した。工程表と言う言葉は、建設工事や工場の生産の上でその手順や流れを示すものとしてよく使われるが、省庁が今後の計画や見通しを示すものとして使用するのは、多少の違和感がある。
今年5月21日に環境省は、被災2県の調査を受けて、震災がれきの発生量の大幅な見直しを行い、それに伴う今後のがれきの処理方針「災害廃棄物推計量の見直し及びこれを踏まえた広域処理の推進について」(以下「推進計画」)を発表したばかりである。
その中で「宮城県と最優先で広域処理の実現を図る自治体における進捗状況」と言う一覧表が記載され、そこには、東京都、青森県、山形県、茨城県、三重県、滋賀県、京都府(京都市)、兵庫県、福岡県(北九州市)の9県が、表記されると共に、「…受け入れについて具体的な回答をいただいている栃木県、千葉県、山梨県、岐阜県、愛知県、鳥取市、島根県」と7県の県名、合計16県の名前が挙がっていた。それからわずか2か月余しか経っていない中で、実質東京と北九州市を残して消えてしまったのである。
「工程表」には、その件について何の説明もなされていない。

(2)広域化必要量はそのままの数値。
16府県から実質2県に受け入れ先が変わっている。そのことは、「推進計画」と「工程表」を見比べた結果分かったことであるが、本来なら「工程表」にはそのことは、いの一番に触れなければならないことである。ところが触れいていない。なぜか?
また不思議なことに、「推進計画」で謳っている宮城県の広域化必要量は、127万トンであり、「工程表」でもその点は同じである。可燃物39万トン,木くず40万トン、不燃混合物48万トン合計127万トンが広域化必要量との記載は変わっていない。(東日本大震災に係わる災害廃棄部の処理工程表(概要))
工程表は、本来、広域必要量を踏まえた上で、その必要量をどのように処理してゆくかを示す役割を持っている。ところが、今回の工程表は広域化必要量が数量的には変わっていないのに、受け入れ自治体が2県に激減しているのである。これでは、127万トンの広域化必要量をどのように処理してゆくかの筋道を示すことはできない。
しかもその点についての説明がない。これでは行政が仕事の上で提出するレポートとしては、失格である。もし学生がこのようなレポートを提出すれば、「0点」しかもらえないだろう。仕事の上でのレポートとすれば、1から書き直しを求められるであろう。

(3)“へたれ”工程表から見える隠された事実

@ 受け入れ自治体激減の事実と理由
まったくひどい工程表であるが、もしここに広域化必要量として記載されている127万トン(可燃物39万トン)に間違いがなければ、広域化処理量は沢山あるが、現状として処理できないと白旗を上げるレポートである。
 もちろんこのレポートでは、白旗は上げていない。
ではなぜか?白旗を上げればその最大の要因である「受け入れ自治体が、なぜ激減したのか」に触れなければならなくなるからである。
「推進計画」を発表して、わずか2か月での「工程表」の発表。何があったのかを見れば、受け入れ自治体の激減は、今回の工程表の最大の特徴点である。宮城県ではがれきの処理は、すでに民間委託し、そこで広域化のために受け入れ自治体と契約を結べば、2重契約となり、違法処理となる。しかもその点を分かった上で、受け入れ契約を結べば、受け入れ自治体も国の交付金の詐取に加担することになる。
そのことの説明なしに、受け入れ自治体の激減は、説明できないと考えるが、宮城県及び環境省はどのように考えるか?

A “へたれ”工程表で良しとする本当の理由
広域化必要量が127万トン(可燃物39万トン)とすれば、東京都と北九州市による引き受け量だけで、処理はできない。ところが“へたれ”工程表をそのまま発表していて環境省や宮城県は良しとしている。平気なのは、宮城県では当初計画の全量を民間委託していること、さらに5月21日の発生量の見直しで、そもそもがれき量が減ったことがあり、広域量が127万トンと言うこと自体、事実ではないということである。
つまり私たちがこれまで調べてきたように、広域化に回すがれきはない。その事実確認があって、このような“へたれ”計画で良しとしていると言える。

B やはり見逃すことのできない東京都と北九州市の受け入れ!
しかしそうするとますます宮城県石巻ブロックから東京都と北九州市にがれきを持ってくるのは、違法であり、無駄遣いであり、交付金の詐取につながると言わざるを得なくなる。
8月末までに別紙のような通告文を東京都下のがれき引き受け自治体に提出する予定だが、それ以降もがれきの受け入れを続けるならば、交付金を出す環境省も含めた行政による交付金詐欺事件としての告発そして立件は不可避になるのではないか。

3.工程表から垣間見える事実と今後

「工程表」を「推進計画」と比較しながら見て行くと、環境省が進めてきた広域化がすでに破たんをきたし始めていることが分かった。環境省が作った工程表と言う作文の特徴は、
@ 広域化必要量を過去の計画と一致させることで、行政の継続性=権威を保ち、
A その一方で、受け入れ自治体の激減と言う事実を示せば、広域化必要量の処理ができなくなるため、激減事実を隠し
B 激減が2重契約とがれきの広域化の必要性がなくなっていることが理由だという点を隠し、
C 東京都と北九州市の分は何としても継続するという意思表明を行っている。
しかしこの2重契約問題は、IWJが2時間取材で取り上げ(*1)韓国TV局も動きだし、各地の市民活動とも連携しながら戦後最大の疑獄事件に迫る動きとなり、もう覆い隠すことは出来なくなっている。
 今回は、宮城県のがれきについて焦点を当て、調査してきたが、工程表から垣間見える岩手県のがれき問題も調査報告を今後お届けする。
岩手県のがれきは、大量の広域化計画量が、大幅に下方修正されている。下方修正されたのは良いが、岩手県がもともと作っていた県の詳細計画では、処理計画が完了していたものを、ここでもなぜ、広域化が必要だったのかが問いただされることになる。
工程表では、環境省が、これまで打診していた府県や政令指定都市に、予定通りの量を用意することができず、前向きに答えてくれた自治体に、少しづつ顔を立てるように振り分ける計画が示されている。
この環境省の工程表から伝わってくるのは、被災県ががれきの処理に困っている姿ではなく、がれきを貴重品のように、受け入れ自治体に分け与える計画図である。
広域化計画は、環境省主導の全く無駄な公共事業である。その点が宮城県に続いて明らかになるような岩手県の事例を次に紹介してゆきたい。
岩手県の計画の中では、最も遠い場所に運ぶのが宮古市のがれきを大阪市に運ぶ計画である。広域化がなくとも地元での処理計画が立案されていたのを、国が割り込むように入ってきて、広域化によるムダ金を使わせようとしている。大阪の橋下市長が、批判してきた国による全く無駄な事業に加担することになる大阪市のがれき受け入れである。橋下市長の行政改革の内実が問われるがれき受け入れとなる。

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