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zoom RSS 島田市がれき受け入れを巡る4件の疑問  環境ジャーナリスト 青木泰

<<   作成日時 : 2012/06/06 16:01   >>

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島田市がれき受け入れを巡る4件の疑問
           20120523  環境ジャーナリスト 青木泰

1) 全国広域化の見直しの動きを無視した本格受け入れ
島田市は、5月23日、島田市のごみの焼却場である田代環境プラザに山田町からのがれき10トンを搬入し、約1日かけて溶融実施した。
一方5月20日、宮城県知事は、宮城県のがれきの総量が、これまで環境省が発表してきた量より400万トン以上も少なかったことを発表した。
環境省が独断専行して進めてきたがれきの広域化が、放射性物質を全国に拡散する政策でしかない。がれきの広域化による1兆円という過大なコストは、自区内で行えば、半減でき税金の無駄遣いでしかない。しかもがれきの受け入れが進まないことが、復興を遅らせていると言った政府広報による宣伝は、国の政策の遅れを地方の所為にする責任転嫁でしかないことが、ようやく国民の間に広まってきた。
その結果被災県でのがれきの総量についての見直しが始まり、環境省の2250万トンという総量予想が下方修正されることが確実であり、広域化処理量についても、市町村での自区内処理や県内処理、隣接県処理を基本に、これまでの環境省の広域化量そのものの見直しが行われている。
広域化と言っても国税の投入によって行われる以上、がれきの発生地での自区内処理で行い、被災地からはるか離れた地への広域化は過大な費用が発生するという点での見直しである。
奈須りえ大田区議が指摘するように、税金による補助があると言っても5%は、起債立てとなり、被災地の市町村に後年度負担としてのしかかる。がれきの処理費は、被災地自治体にとっても安いに越したことはない。
当然はるか離れた島田市への広域化自体がなくなる可能性もある。
豊橋市を中心にした清掃一部事務組合である東三河広域協議会は、4月23日から25日まで現地視察を行い、がれきの受け入れの可否そのものを先送りすることを決定した。(5月13日)(資料1)
その中でがれきの処理が容易に進まなかった要因として「県と市町村との役割分担の協議調整や国の財政支援の在り方が容易に定まらなかった」点も指摘し、全国広域化は、被災地の基礎自治体である市町村の「自区内処理」、「県内処理」、「隣接県処理」「隣接広域処理」という処理検討があって始めて提案される。それが環境省の全国広域化は、そのような処理検討がない広域化ありきの政策だったことがわかり、可否そのものの先送りを決定し、現在被災地で進められている広域化の見直しを待って、安全性や住民の意見を聞きながら今後の受け入れの可否を決めるとした。
環境省による震災がれき広域化のキャンペーンの中で、がれきの受け入れに前向きだった全国の自治体が、被災地のがれき総量やがれき処理計画の見直し結果に注意を払い、基本に戻ってがれきの受け入れの再検討や先延ばしに入っている。
そうした中で島田市長は、がれき受け入れをなぜ進めるのかを、被災地の状況を含め、市民に説明することが求められている。
今回の受け入れ量は、岩手県山田町から約10トンということである。生活ごみと混焼し約50トンにして燃やすということだが、北九州市の場合、試験焼却で80トンもある。本格受け入れというにはいかにも少ない。現在定期点検中で、2基のうち1基稼働である。焼却炉の受け入れ態勢などを考えても、今の時期に強行するのは、本格的な受け入れを行ったと言う実績作りのアリバイ作り的な受け入れである。
 安全なものなら被災地の雇用のために、被災地での処理をということで動き始めている見直し作業が目に入っていないのだろうか?被災地自治体との「絆」を声高に言うのなら、被災地の自区内処理を応援し、受け入れを潔くあきらめるべきではないか?
2) 焼却場周辺で高濃度の放射能汚染検出
<空間線量は島田市の平均の倍、校庭土壌は放射線管理区域の基準超>
島田市の本格受け入を前にした5月22日、島田市民が記者会見を行い、がれき受け入れ前にもかかわらず、焼却場周辺地域での空間線量が、島田市全域平均の約2倍あること(資料2)そして近くの伊太小学校や大津小学校の校庭から採取された土壌の放射能濃度がそれぞれ730ベクレル/kgと1970ベクレル/kgあったことを発表した。ちなみにこれは放射線管理区域(4万ベクレル/km2=615ベクレル/kg)の1.2倍〜3倍示す高い値である。
また発表後「安心して暮らせる島田を作る市民の会(白石啓美共同代表)」が、測定事実を市に伝え、
@ 焼却場周辺が何故高いのか、原因調査をお願いする
A 小中学校の全校調査を行い、高い線量の場所は除染を
B 焼却場周辺が高い線量を示す中で受け入れ中止を
以上の3点についての島田市に対して、申し出を行った。(資料3)
空間線量は、島田市のお母さんたちが市の測定器を借りて、焼却場周辺の街中各所35か所を測定した。伊太小学校の土壌は、学校の許可を取ってお母さんたちが土壌採取し、測定の専門機関で調査した。大津小学校の土壌は、市民と地質学者の大石貞男氏が採取したうえ、やはり専門機関に委託し測定した。
空間線量は、最大で0.17μSV/hであり、平均的には0.12μSV/hあった。島田市の空間線量は、平均的には「0.05」位の値であり、焼却場周辺は、倍の値を示していた。 
島田市や静岡県内の測定調査を行っている地質学者の大石貞男氏は、記者会見に出席し、今回と同様の高い値が検出された場所はない訳ではないと断りつつ、それらはいずれも、地形やその他の原因が特定されたという。例えば、大井川の河原で高い値を検出した場所は、最終処分場の放流水の排出場所であった。今回の場合、焼却場が影響と考えられると話した。

 <なぜ焼却場周辺が高いのか?>
 今回の測定結果、まず焼却場周辺の空間線量が2倍もあったことが特筆される。なぜ焼却場周辺が高い値を示したのか?
記者会見でもこの点について、測定は試験焼却の前か、後なのか、後とすると前の測定データがあるかどうかが記者から質問された。しかし焼却場周辺が高い線量となっている理由としては、試験焼却以外にも考えられる。
島田市の焼却炉である田代環境プラザでは、先の試験焼却の時のデータからバグフィルターでは、60〜80%しか放射性物質が除去できなかったという試算がある。(資料4)この試算によれば、島田市の場合、焼却炉で放射性物質を焼却すれば、殆どだだもれ状態で、煙突から放射性物質が周辺環境中に放出されることになる。
島田市では、すでに2月16日に試験焼却されているが、その他放射能汚染された廃棄物が焼却される可能性としては、「販売できなくなったお茶葉」やその他の「産廃」なども考えられる。
市町村の焼却施設では、基本的には、当該市町村の家庭や小規模事業者(街中のお店など)から排出される一般廃棄物が焼却されることになっている。ただ市の裁量によって、「産廃」についても燃やすことができる。したがって市が許可を出した「産廃」に放射性物質が含まれていれば、今回のようなことが起きる可能性がある。
また産廃事業者の中には、市町村の認可を受けて、当該市町村内の事業系の廃棄物を取り扱うはずが、他所の廃棄物を当該市町村で発生したとして、不法に市町村の焼却炉で燃やすような事例もある。
したがって焼却場周辺部で、空間線量が高く出たというのは、いずれかの要因で放射能汚染された廃棄物が、焼却炉に投入され、煙突から周辺に排出されたことが考えられ、放置できない問題である。
 廃棄物を焼却している周辺部の空間線量が、高い事例は島田市だけではない。埼玉県の秩父の横瀬町にある「三菱マテリアル(株)」のセメント工場では、現在セメントの原材料として、震災がれきを受け入れる提案が検討されているが、がれき受け入れ前の現在でも焼却場周辺地域が、横瀬町の平均より約2倍の空間線量が市民によって測定されていた。
 セメント会社では、通常でも下水汚泥や焼却灰などが資源活用するとして焼却されている。そのため、「火の無いところに煙が立たない」と市民が調査したところ、「化学工業日報」の昨年4月20日号に、三菱マテリアルは、宮城県の下水汚泥をセメントの原材料と5月から受け入れるという計画が発表されていた。受け入れが実際に行われていれば、周辺の放射線量が高くなる理由として考えられた。
 <小学校の校庭の土壌で高い放射能汚染>
 焼却場から南2.4kmにある伊太小学校と東南約3kmにある大津小学校の校庭からセシウム134と137の合算量(ベクレル/kg)で、それぞれ730と1970が検出された。
 この数値はどれだけ高い数値かというと、
@ チェルノブイリ事故の際の「放射線管理区域」を超えている。チェルノブイリの放射線区分は、「強制避難区域」「義務的移住区域」「移住権利対象区域」「放射線管理区域」となっていたが、不必要な被曝を避けなければならないとした「放射線管理区域」は、3.7万ベクレル/m2(=569ベクレル/kg)以上となっている。日本の「放射線管理区域」に相当。(注1)この値を超えている。
A 日本における放射線管理区域の規制値は、3か月で1.3msvを超えてはいけないとなっているが、これはチェルノブイリの放射線管理区域に相当し、放射線管理区域は、人が放射線の不必要な被曝を防ぐため、放射線量が一定以上ある場所を明確に区別し、人の不必要な立ち入りを防止するために設けられている。
B 100Bq/kg以上については、原子炉等規制法によって放射性物質として取り扱うことが定められている。この校庭の土壌は、急いで取り除く必要があるが、取り除いたものは、一般廃棄物の埋め立て処分場には廃棄できず、東電に引き取ってもらい放射性物質として処理保管が必要になる。
C 土壌汚染については、チェルノブイリを経験したロシア人の共通認識として「0.1キューリー/km2=約3700Bq/m2」を超えると危険だと言われている。約3700Bq/m2は、1kg当たりのベクレル数に換算すると57Bq/kgとなる。
D 木下黄太氏は「セシウム137による土壌汚染レベルが、0−6歳なら20Bq/kgまで、小学生、中学生なら50Bq/kgまで、大人なら100Bq/kgまでが安全域だと言える」と語っている。
E 小出氏も「福島原発事故前は、1平方メートル当たりセシウムの汚染度合いが10000Bq/m2(=150Bq/kg)を超えるところだと、絶対自ら立ち入りを避けた土地である。」と語っている。
F 環境省の除染基準は、放射線量が1時間当たり0.23μSv(マイクロシーベルト)と定めているが、これを土壌の放射能容量に換算すると約1000Bq/kgとなる。
 いずれにしても今回の島田市の焼却場周辺の小学校校庭で検出された土壌汚染は、これらの数値を超えており、子供たちの健康を考えた時に、これらを放置することがは、許されない。
 ところがこの事実を伝え、適切な対処策を求めた市民団体の訴えにもかかわらず、島田市も市の教育委員会も今日まで対処を行っていない。
 すぐに2校での除染活動とその他の学校での調査対策が必要だ。
また焼却場周辺部の空間線量が高いことと併せて考えると、第三者的な調査機関を立ち上げ、焼却場との関係を調査する必要がある。
 島田市では、がれきの本格的な受け入れを前にして、すでに焼却場周辺部の街中と小学校で上述したデータが検出されている。
 無視してがれき受け入れを進めることは、首長としてできないはずである。

3)地権者の反対の声を無視して埋め立て処分
 被災地でのがれきの総量と計画の自区内処理を優先した見直し、そして焼却施設周辺の放射能汚染、がれきの受け入れの前に検討しなければならないことが山積みされている中で、もう一つ大変な事実が隠されていた。島田市の埋め立て処分場は、市が所有する土地ではなく、民間の11名の所有者から賃貸契約で借り受けたものであり、この所有者に断りなく、震災がれきの焼却灰の埋め立てを行おうとしていた。
 <処分場に放射性物質を埋め立てる時の問題点>
 放射能汚染の怖れのあるがれきを市町村の焼却炉で焼却処理した時、煙突から放射性物質が放出されないのかという点に加え、放射性物質が濃縮する焼却灰の埋め立て処分場で、安全に埋め立て処分ができるのかという点が各地で問題になっている。
 自治体が造成する管理型の処分場は、約30年経過すると埋め立てられたのち安定した土地として、住宅地や公園や緑地として造成されたり、道路などとして区画される。一般の人が出入りしたり居住したりする土地として、産み変える計画となっている。しかし放射性物質は、消えてなくなる訳でなく、セシウム137の場合半減期が30年。ストロンチウムについては、億年を超える。 埋立地には、ビニールやゴムのシートが埋設され、雨が降れば埋めて処分地に浸みこんだ水が、浸出水として集められる。雨が地下浸透して、周辺の大地や水系を汚さないための工夫であるとともに、浸出水に混入した有害物は、浸出水処理施設で除去処理されるようにしている。しかしこれまでの廃棄物処理施設では、放射性物質は燃やしたり埋め立て処分することは、考えられていないため、この浸出水処理装置では放射性物質は除去できない。その結果処分場からは環境中に放射性物質が放出され、処分場周辺の土壌や水系を汚染することになる。
 <神奈川県では、埋め立て処分場問題で、がれき受け入れできず>
神奈川県の場合、がれきの焼却に当初賛意を示した3つの政令指定都市、横浜市、川崎市、相模原市の場合も、各市が持つ通常の生活ごみの埋め立て処分場でがれきの焼却灰を埋め立て処分することには同意せず、神奈川県の持つ処分場で埋め立てることを求めた。
 神奈川県の埋め立て処分場は、横須賀市にある「芦名」(あしな)にあり、神奈川県は処分場を造った時の住民協定で、神奈川県以外のごみの焼却灰等の埋め立ては断ることが明記され、そもそも当時の協定で謳っている廃棄物の中には、放射性物質は含まれていなかった。そのため、神奈川県はがれきの受け入れに当たって、埋め立て処分場周辺の住民との間で新たな協定を結ぶことが必要となっていた。
  芦名の処分場周辺の住民や自治会では、放射能汚染されたがれきの焼却灰等が埋め立ては、土壌や水系を汚染し、子供や孫、そして末代まで影響が残ることになると、お母さん達や壮年世代が中心になり、講演会や学習会、相談会を繰り返し開催し、自治会長老も巻き込んで、大楠連合自治会として受け入れ反対するに至った。
 またその後もまとまりを強めるための集まりや講演会などを行い、さらに被災地をバスで訪ね、がれきの受け入れ以外に被災地を支援する方策がないかを探ったりしている。
 <最終処分場からも高濃度放射能汚染検出> 
島田市の場合、最終処分場の浸出水を処理した後の放流水用のピットに溜まった土壌から、放射性セシウムを300ベクレル/kgを検出した。浸出水処理装置では、放射性物質が環境中に放出されることが、防げないことが明らかになった。またがれきの受け入れ前であるにもかかわらず、放射能汚染物が埋め立て処分場に持ち込まれていることも分かった。
この放流水は、大井川に流され、周辺は、地域の上水や田圃に水を供給する井戸もある。放射性物質の持ち込みをチェックすることなく、このまま放置すれば、取り返しがつかなくなる。市民や周辺農家も、有形無形に地権者たちを後押しした結果、地権者は、最終処分場の賃貸契約の更新を行わず、がれきの受け入れと放射性物質の埋め立て処分場への混入に反対する旨を市に伝えた。埋め立て処分場の賃貸契約は、3月31日で切れたままとなってしまった。
そもそもがれき受け入れに前になぜ地権者に相談しなかったのか?地権者の一人は「お花畑に使うからと貸していたら突然トイレに使うからと言われたようなものだ。事前の相談が欲しかった。」という。
島田市長は、3月15日にがれきの受け入れを表明していたが、がれきを焼却しても、焼却灰を島田市の埋め立て処分場に持ち込むことができなくなり、地権者との話し合いで、かろうじて生活ごみ由来の焼却灰や不燃ごみは埋め立て処分場に持ち込んでよいことになった。
地権者の過半は、こうした中で、単年度契約の期限が3月31日に終了したが、再契約を結ばず、がれき由来の焼却灰の埋め立てに反対することを伝えていた。
その後市からの要請で何度か話し合いがもたれたが、地権者は、がれきを受け入れた時の放射能汚染の発生を恐れ、震災がれきの受け入れによる焼却灰の埋めて立てについて、埋め立て処分場の使用用途から外した契約書なら契約更新するとの立場を変えず、市からの再三の協議要請に、その点を明記するように求めて行った。
ところが島田市長は、5月に入って、がれきの受け入れを5月23日に行い、24日に焼却し、そのあと処分場に埋め立て処分すると一方的に発表した。
契約更新がなされないまま、もし埋め立て処分すれば、地権者の土地に不法に埋め立てたことになる。もとより自治体運営は法令順守の下に行わなければならない。公平で民主的に運営しなければならない自治体が、地権者の権限を侵害するようになれば、社会は壊れることになる。
被災地との絆を口で行いながら、9000筆以上の反対する市民の声を無視し、今度は民有地の所有権を勝手に侵害するという刑法にも触れることを行うという。
地権者7名は、5月22日午後、地権者としては生活ごみ由来の焼却灰等の埋め立ては、拒むものではないが、このまま市が地権者の権限を無視してがれき由来の焼却灰等を埋め立てた時には、埋め立て処分場自体の使用も断る旨を通告書に記載し、市に通告した。(資料5)

4) 被災地からのコンテナにコンクリートの巨大な塊
4月23日、静岡県が仲立ちになった岩手県山田町からのがれきが、総量10トン分コンテナ4個に入れて、島田市の伊太にある焼却施設に運ばれてきた。ところが、可燃ごみとして運ばれてきたコンテナの一つから約70kgもある大きなコンクリートの塊や石のなどが見つかって、その分は焼却せず、山田町に返すことになった。露天においた古いコンクリートは、雨にぬれると水が浸み露天においてあった稲わらのように放射性物質が濃縮される可能性もあった。運ばれてきたコンクリートの汚染度を測ったのだろうか?山田町に戻したということだが、大丈夫か?
<マスコミ注視の中不祥事はなぜ?>
静岡県の島田市は、被災県からの広域がれきを遠方の「非汚染地域」に運んでくる初めてケースである。マスメディアも含め注目されるなかでのがれきの受け入れであったが、当初から約束していた安全なものだけ運ぶという点は、見事に裏切られてしまった。
木屑だけを選別した可燃ごみを運んでくるはずが、目視できる70kgものコンクリートの塊が入っていたのである。試験焼却の時には、木くずを土砂を落とすために洗ったという念の入れ方が、今回は放棄されていた。コンテナに積載されたがれき。途中で誰かが入れ替えたりすることは、ほぼ不可能としたら、現地で投入したとしか考えられない。誰が何のために投入したのか?
目にも見えず、臭いもしない放射能の取り扱い。送られてくるものは、100Bq/kg以下と言う約束だったが、目視できるレベルでもチェックされていない杜撰さでは、放射能汚染のチェックなど全く保証の限りでなくなったと言える。
試験焼却の時には、送ってきた可燃ごみは、土や泥を洗って、不燃系のごみが入らない木くずを中心にしたものだと言っていた。可燃系の木屑である点を強調していたのは、アスベストやその他の有害物の不燃系のがれきは混入させないということだった。
被災地から送られる時に、最初から混入していたとすれば、がれきの搬出に当たっての管理が、よほどひどい状態にあるか、意識的に混入したかのいずれかである。
<被災地の意向を無視した広域化への異議申し立てか?>
意識的とすれば、被災地ではがれきの広域化は望んでいないという意思表示か?確かに現状がれきの総量と被災地で処理できる量、広域化する量の見直しに入っている。宮城県だけで、400万トンを超える下方修正があり、当初の広域化予測量は、この宮城県の発表によって、必要なくなったと言える。
それに代わって岩手県が当初の50万トンから100万トンになったとか10万トン増えたと言った情報が流れてきているが、それをそのまま流したメディアは、ジャーナリストの片隅にも置けない。と私は考える。これだけ世間を騒がしてきた当初の岩手県のがれき処理量が、一気に2倍や3倍になったという情報は、宮城県が総量を大きく減らす中で、いまだ広域化にこだわる国や県の役人たちにとって、広域化の計画の首の皮を残すためには都合の良い情報である。
しかしこれまで発表してきた「50万トン」は何だったのかということになる。「50万トン」が「100万トン」や「150万トン」になったという役人の情報を口移し的に報じる前に、では今までの「50万トン」という計算根拠は?今回の数値の具体的根拠は?と確かめたうえで、情報を流すべきである。
しかも状況を考えた時には、今宮城県はがれき総量自体400万トン強減ったというだけで、岩手県の総量がどのようになったか、2県での総量がこれまで発表されてきた2250万トンからどれだけ減るのか?そして自区内を基本にこれらを処理して行ったときに、どれだけが被災地自治体で処理でき、広域化に回すものが本当に出てくるのかさえ、今検証中である。
<コンクリートの塊は、広域化政策の終焉を示す墓標か?>
今回のがれきの処理経費として環境省が約1兆円の予算を組み、自区内的にこれを処理すれば、その半分で済むことも明らかになっている。広域化によるがれきの受け入れは、被災地での復興支援をお題目にしながら、実は約5000億円もの無駄遣いであり、その分を被災者の避難や安全な食材を被災地に供給すしたり、被災地の事業者の事業再建の援助費として使う方がどれだけ有効かがようやく幅広く議論されつつある。
コンクリートの塊が、コンテナから発見された。もしこれが、意識的だとしたら今回の広域化の被災地を無視した政策への抗議の意味が含まれているかもしれない。この事件の詳細な調査、そして背景の調査無くしてもはや広域化はないと言える。

資料1:「東三河のおける災害がれきの受け入れについて」平成24年5月13日東三河協議会 <PDF>
資料2:伊太地区放射線測定データ、伊太子供の会 <PDF>
資料3:要望書「安心して暮らせる島田を作る市民の会」 <PDF>
資料4:島田市の試験焼却の結果を考える―野田隆宏氏
資料5:ご通知書 島田市長あて 島田市処分場地権者 <PDF>

注1:チェルノブイリの「放射線管理区域」は、3.7万ベクレル/m2(=569ベクレル/kg)〜18.5万ベクレル/m2(2846ベクレル/kg)
空間線量で0.13〜0.66μシーベルトとなっていた。
日本における放射線管理区域の規制値は、3か月で1.3msvを超えてはいけないとなっているが、これはチェルノブイリの放射線管理区域に相当。
チェルノブイリの
義務的移住区域は、55万5000Bq/m2(約8000Bq/kg)。
移住権利対象区域は18万5000Bq/m2(約2700Bq/kg)
放射線管理区域は、3万7000Bq/m2(約555Bq/kg)
4万ベクレル/m2=615ベクレル/kg)も超えていて放置できない。(放射線管理区域は、人が放射線の不必要な被曝を防ぐため、放射線量が一定以上ある場所を明確に区別し、人の不必要な立ち入りを防止するために設けられている。)

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